2024年5月28日火曜日

Plastic fan

こんばんは。欧州各地のリーグが終了して夏の移籍市場に注目が集まる今日この頃。自分が最も熱を注いで観ているプレミアリーグは惜しくもアーセナルが2位でマンチェスター・シティが優勝し、4連覇という偉業を成し遂げました。来年こそは3度目の正直としてアーセナルに花を持たせてあげたいところですが、REAL SPORTSさんの面白い記事を見つけました。

 

 

内藤秀明さんというサッカーライターの方が執筆された記事です。あれ?なんか聞いたことのある名前だなと調べると、KONAMIが運営するe-FootballのYouTubeチャンネルで活動しているWinnersというサッカー系インフルエンサーを集めたサッカーチームで分析官をしている方でした。最近は出演しなくなったので正確には分析官をしていたというのが正しいでしょう。

記事ではプラスチック・ファンと呼ばれる現地に訪れる海外からのサポーターたちについて触れています。そんなプラスチック・ファンによって実際問題シーズンチケットが値上がりしていることが現実として起こっています。

トッテナムの指揮官であり、かつて横浜F・マリノスでも指揮を務めたポステコ・グルー監督は「観光客や“プラスチック・ファン”と呼ばれる、最も高いお金を払ってでも観戦に来ようとするファンを集めることを優先しているのか」と語っております。もちろんそういった地球の裏側からでも応援してくれているファンに否定的な訳ではないということも大前提として話しています。

現在イギリスは富裕国のなかでも貧困率が最も高い水準であります。労働者階級のスポーツと呼ばれるだけあって階級に関係なく楽しめるフットボールが観光客によってチケットが値上がることには悲観的な声が多いでしょう。リバプールの本拠地であるアンフィールド近郊でも貧困層が多いのもあり、地元の人たちがホームゲームに観に行けなくなったという声もあるんだとか。

こういった現実を目の当たりにした上で記事最後の総括にとても感銘を受けました。まずこの記事を読んで現地観戦が億劫に感じるのであれば生観戦は避けるという選択肢。最高峰のリーグと呼ばれるだけあって強度はが高く、映像で観るだけでも十分楽しめるのはお分かりでしょう。

そして現地での観戦を望むのであればこちらも現地文化を学ぶ意識を高めましょうというもの。文化への100%の理解は難しいものの、イングランドのフットボールはさまざまな社会問題とリンクしていることが多いので、色んな視点からサッカーを捉えるのも面白いと語っています。

あとは対戦クラブとのハーフマフラーもやめるべきと記述されています。そもそも闘う場所に相手クラブのエンブレムが入ったものを身につけるのは現地の人間としては許すまじき行為でしょう。試合中の動画や写真撮影もそうです。記録を残すことよりも記憶に残そうっていうのは自分も同感です。

これらの考えはまさにその通りで、これは昨今のサッカーブームにあやかる人たちにも当てはめられます。まず大前提として自分はサッカーは1つのスポーツとしてではなく、サッカーという一つの概念として考えています。そしてそんなサッカーという概念が大好きなんです。先ほどお伝えした政治的な社会問題としてもファッションとしても音楽としてもサッカーは色んなものに繋がってくるんです。

なんとなく強いからシティが好きとか、有名インフルエンサーが着ていたからこのユニフォームが欲しいとかそういうのも別に良いと思っています。にわかファンがいけないとかも一切思いません。ただ入り口はどこからでも良いにしろもっと歴史や文化なども深ぼっていっても良いんじゃないかと思うんです。その方がサッカーにしてもファッションにしてもより面白くなると思います。

きっと記事の内容からすると自分もプラスチック・ファンなんです。自分も週末に家でソファに寝っ転びながら誰にも邪魔されない環境でひっそり観るくらいで良いんです。「グーナー」って言葉も自分で言うのには抵抗がいまだにあります。そもそも現地のサポーターの熱量に勝てるわけがありませんから。ただそんな現地のフットボールが身近にあるライフスタイルを送っている人間に憧れるんです。遠く離れた日本でもイギリス人が着飾らず何気なく着ているようなファッションも真似したいし、イギリスの音楽シーンなんかにも触れていたいんです。

最近だとナフィケンフットさんの動画でちらっと出演していた現地の方のファッションが良くてこの記事を読んでいる最中に頭によぎりました。Lyle & ScottのポロシャツやBerghausのポリT、そしてBurberryのバケットハット。どれもウチで取り扱っているブランドであり、フットボールカジュアルとしてはどれも離せないブランドです。

チームウェア以外の古着商品に関してはこういうファッションを楽しんでほしいんです。ブ○ークコアみたいなユニフォームを混ぜたファッションのカテゴライズとかは自分の中では論外です。なんでもかんでもカテゴライズする風潮にはうんざりです。サッカーはかっこいいものであってほしい。日本のサッカーをより良くするためにはオーディエンス側の影響も大きいと自分は考えています。なのでオーディエンスのリテラシーも少なからず重要でしょう。もちろん発信する側も。

ウチとしてはそんなスポーツの枠に収まらないサッカーにまつわるカルチャーを発信して少しでも多くの人にサッカーの面白さを知ってもらいたいです。入り口はどこからでも構いません。自分が発信する何かに心を動かされた方は是非そこから深ぼって調べてみてください。自分はそんなオタク気質な方が大好きです。 

2024年5月8日水曜日

APOTHEKE

こんばんは。まだまだ気温の変化が目まぐるしく、猛暑日もあったり半袖じゃ肌寒い日もあったりと大変な時期ですね。体調には十分気をつけてください。薄手のライトアウターも少量ですが店頭にも出していて、今みたいな時期に結構重宝したりするんですよね。その辺も良かったら見てみてください。

最近買ったよかったもの、というか店舗移転のお祝いで先輩にいただいたお香が本当に良かったのでご紹介します。

その先輩は高校の先輩で当時から音楽が詳しくてハードコアだったりポップパンクといった音楽をたくさん教えてもらいました。

鮮明に覚えているのは高2のときにBMTHの"Sempiternal"のCDを貸してもらった記憶があります。言わずもがなの名盤。一つ歳が違うだけなのにその時は一回りくらい大人に見えてファッションとか色々とひっそり真似してました。そういう先輩って誰しもいますよね。今でも音楽を続けてて純粋に好きなことしてるのがかっこいいんです。

前振りが長くなりましたが"APOTHEKE FRAGRANCE"(アポテーケ フレグランス)というお香です。自分はお香が本当に好きで家でも四六時中焚いています。リラックス効果やストレス解消には本当に良いと思っています。店舗に来ていただいた方はご存知かと思いますが、店頭でもお香は常に焚いています。オンラインで購入した方も何のお香使っているのか尋ねられることもたまにあったり。

店舗で焚いているのは"NAG CHAMPA"(ナグチャンパ)というインドのお香では定番なやつです。でもこの定番でスタンダードな癖のない匂いが好きでずっと使っています。安くてコスパも良いので基本は箱買いしてます。

家でも同じくナグチャンパを焚いていたんですが、仕事から帰ってきて部屋でも同じ匂いもなあと思ってた矢先に出会いました。この面構えで意外にもメイドインジャパンなんです。

自分がいただいたのは"Possess"という香りでこれがめちゃくちゃ良かった。あとは最近買った"New Day"も好きな香りでした。下手な説明すると申し訳ないので買って試してみてください。

何より自分が良いと思ったのは100分間も燃え続けるというところ。25本入で2,200円なのでお香としてはとても安い値段とは言えませんが、試すと納得の自分へのご褒美にはちょうど良い金額だと思います。もちろんプレゼントにもちょうど良いので最近は友達へのプレゼントに渡したりしています。というよりとにかく試してみて欲しいのが本音ですが。

休日や退勤後にサッカー観たり音楽聴いたりといったブレイクタイムをより優雅な時間に変えてくれます。案件でも何でもないですが是非使ってみてください。プレゼントしてくれた坂下くんも改めてありがとうございます。

2024年5月5日日曜日

Upside Swoosh

こんばんは。長かったGWもようやく終了しましたね。この数日間で想像をはるかに超える大勢のお客さんに来ていただきました。中にはオープン前から待機していただいていた方もちらほらと。本当にありがとうございます。

GW中はなかなかサッカーも見る時間が作れないほど徹夜の日々でしたが、その分来ていただいた方の楽しそうな表情を想像するだけで何でも頑張れちゃうものですね。買い物するだけでなく空間として楽しんでもらえる店になっていると幸いです。

そんなGW中に早くも来シーズンの新ユニフォームが発表されているクラブもあります。中でもリバプールの24/25シーズンはルックも含めて良かったのでご紹介します。

当然のごとくやっぱり選手本人がモデルをするだけでどんなデザインであろうとかっこよく見えるもんですね。自分はアレクサンダー・アーノルドとサラーのスタイリングが好きです。

19/20シーズンにニューバランスが最後に使用したイエローのピンストライプデザインが復活しており、これはリバプールががローマで開催した1984年のヨーロピアンカップ優勝を思い起こさせるという意味が込められています。個人的には現行のサプライヤーではNIKEが最も好きです。無駄のないシンプルなデザインでありつつも細部までこだわったディテールは男心をくすぐるんです。

ちなみにアウェイは公式から発表されておりませんがリーク情報からするとおそらくこちらのデザインです。

19/20シーズンではNIKEは3rdキットにタイプ付きのクラシックなフューチュラロゴを使用していました。これは90年代のアイデンティティと現代のナイキの美学の融合を表現していると言われています。

一方で今季のNIKEサプライヤーのクラブの3rdキットはスウッシュを縦にレイアウトさせるという何とも斬新なデザインです。これはアップサイドスウッシュと言うそうで大きさの異なる2つのスウッシュで構成されています。

19/20シーズンとは対照的に24/25シーズンはナイキの有名なロゴへの革新的なアプローチを示しています。スポーツメーカーの常に最先端を走るNIKEには目が離せませんね。今後発表される他クラブの3rdキットにも注目してみてください。

2024年5月3日金曜日

DEFLEXIÓN MIX

 こんばんは。GWも後半戦が始まりこの土日は特に多くのお客さんに来ていただきました。本当にありがとうございます。自分は基本は裏の事務所で作業をしているんですが、混み合った時にはたまにレジに出ていて、そこで「ここ目当てで〇〇から来ました!」と遠方から来ていただいたお客さんと何組か話す機会があり、旅の思い出になっていればいいなという思いと感謝の気持ちでいっぱいです。

何よりも1番嬉しいのは「ここに置いてるものが欲しいんです」という一言。サッカーウェアもレギュラー古着も全て自分が純粋にかっこいいと思うもの、着てる人を見てかっこいいと思うものしか置きたくないんですよね。古着屋をやっていて当たり前な話かと思いますが、店頭全ての商品が把握できるくらいの商品数に留めています。だから流行り廃りに乗っかって有名なクラブとか人気のブランドを何でもかんでも置くような店にしたくなくて、1着1着の価値を大事にしています。

例えば有名クラブであっても私服としてはちょっとっていうデザインは販売していません。あくまで古着屋なんでファッションという観点を大事にしています。とりあえずウチに置いているものなら間違いないって胸張って言えます。そんな自信もいつも店頭に来ていただく方やオンラインで画面越しに楽しんでくれている方々のお陰でついたものです本当に。

 

前振りが長くなりましたが、つい先日Sound CloudにアップしたMIXは聴いてもらったでしょうか。オンラインのトップに埋め込んでいるので触りだけでも軽く聴いてくれた方もいるかと思います。

なぜこのMIXを作ったのかという経緯を話すと、家でスタッフと過去のFIFAやウイイレのサウンドトラックやスポーツ番組のBGMを聴き漁っていたときに、何だか懐かしい気持ちと同時に海外サッカーにハマり出したあの頃の初期衝動を思い出したのがきっかけです。

自分にとって"音楽"ってその音楽をよく聴いていたときの記憶や感情を甦らせてくれるものでもあります。嬉しかったことも悲しかったことも綺麗な思い出となってパッケージングされた上で聴く音楽は自分にしか感じ取れない独自の聴こえ方をすると思うんです。


「DEFLEXIÓN MIX」というタイトルにしたのはサッカー中継でもよく耳にするディフレクション(ボールが競技者に当たり方向が変わる)という意味の通り、このMIXを聴いた人が新しい感覚に触れて新しい完成が芽生えたらいいなって感じです。まあ意味と響きの半々くらいです。

自分よりも若い世代の方はあまり聴き覚えのない曲が多いと思うんですが、例えばFatboy Slimの"Rockafeller Skank"だったらフジテレビで放送していた「すぽると!」の月曜日の人気コーナー「マンデーフットボール」で流れていました。あの頃だと「やべっちFC」や「スーパーサッカー」、「サッカーアース」などがありましたが、自分は圧倒的にすぽるとが好きでした。

ちなみにFatboy Slimは大学時代から拠点をブライトンに移し、ブライトンのダンスミュージックレーベル"Skint Records"からこれまで多くの作品をリリースしています。そんなSkint Recordsは99年から2008年まで三笘でお馴染みのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの胸スポンサーでした。レーベルが胸スポンサーって考えただけでかっこいい。

今回のMIXはビッグ・ビートというジャンルをメインにセレクトしています。自分の好きなジャンルでもあるんですが、簡単に言うとバンドサウンド重視の音作りとサンプリングによるループを多用したブレイクビーツが特徴な音楽です。自分はのルーツを辿ると音楽の入りがバンドサウンドだったのでここに行き着いたのかと勝手に思っています。

90年代から2000年代初頭に一大ムーブメントを起こしたこの音楽ですが、今では周りで聴いている人はほぼ居ない印象です。これを機に色々聴き漁ってみてください。